このレビューはネタバレを含みます
本当に、やられた。予告から潜在的にミスリードされてしまっていた。始まる映像も含め、ただただ観る前から身構えてしまっていた。
タイトルが、「怪物」であることがより一層それを加速させていたのかもしれない。
昨今のアジア圏の映画の空気感だと勝手に並べて、見えもしない存在すらしていない「怪物」に腰が引けてしまっていた。
その事すらも、このタイトルに含まれている気がしている。
過去にある作家の話で、「日本映画は説明するからダメになった」と、プロデューサーに嫌味を言いながら描写の説明をしたと言う話を聞いた事があるが、この映画はその逆でありました。
そしてその説明の無い映画の中に散りばめられた「問題」は、説明されずとも知っていいた事ばかりで、こう示されない限りは向き合おうせずに関わらぬように生きていたものばかりだった。
なんかほんと、人は選ぶと思いますが、どこかで日本映画に対して、日本人としての劣等感を持っているところがあったんですが、賞やそんな物があろうがなかろうが、誇れる紛れもない「日本映画」であった
後最後に、最後のシーンの解釈についてだけ。
彼らが列車から自力で抜け出した時、外は台風一過の快晴で、2人が走り出した先にあったはずの金網が無くなって、その先に走って行くシーン。
あれを観た直後は、「現実場面とは結びつかない為、パラレルワールドなので、彼らは死んだのだな」と考え、とても現実的なシーンの連続で最後がああ言う表現であることは、賛否が分かれるだろうな…とすら思ったんですが、1日経って「彼らが少なくとも理解されたかった相手の多数に理解される先があることが、先に隔てる障害が一つなくなったことへの表現であったのでは無いか」とも思えて、死んだ訳ではないかもしれない…と思って、より深く考える映画となりました。
感想、まだまだ纏まってないな。音楽もとても良い空気を作っててすごかった。
本当に、楽しみにしていて、構えていた分より一層満足する映画となりました。
万引き家族を観た時もそうでしたが、今回も点数なんてつけられないや。その意味の星がありません。
良ければ、観た方とお話をしたいです。
コメント、お話お待ちしてます。