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すずめの戸締まりのIdeonのレビュー・感想・評価

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
3.5
叔母と二人で九州で暮らす鈴芽は、ある朝、見知らぬ青年から近くに廃墟はないか尋ねられる。寂れた温泉街を案内したが、ふと気になって青年の後を追うと、廃墟の中央に不思議な扉が立っており、開けると目の前には異世界が広がっていた。驚いて逃げ出した鈴芽だったが、学校で窓の外を見ると、廃墟から赤黒い雲が立ち上っている。それは地震を引き起こすミミズと呼ばれる物体で、鈴芽が開いた扉から出現しているのだった…というお話。
新海誠監督の劇場大作の3作目。今回は地震がテーマで、主人公が地霊を鎮めながら各地を旅するロードムービーといった感じだ。主人公の二人を演じた原菜乃華と松村北斗は、ともにいい声だが上手いとは言いがたい。ストーリーは松村演じる草太が引っ込むまでは快調なテンポで展開していくが、草太の友人と車で出かけるあたりでかなり停滞する。友人の携帯から次々と流れる懐メロは、無理矢理聞かされているようでくどい感じだ。また、叔母のキャラクターやミミズの造形にはジブリの影響が色濃く見られ、やや既視感を覚える出来である。新海監督ならではの圧倒的なビジュアルは健在だが、天変地異の題材もそろそろネタ切れではあるまいか。
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