よっしい

すずめの戸締まりのよっしいのレビュー・感想・評価

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
3.8
遅ればせながら映画館で視聴しました。
九州の高校に通う女子高生、すずめが、道端で青年、宗像に声をかけられるところから物語が始まります。

最初の展開にちょっとつまづきまして。あれ、なんですずめちゃんは急にそんなことを??と不思議に思った瞬間もあったのですが、すぐにわかりました。
ジェットコースターのスピード、角度に理由を求めるのが野暮というものなのです。
最初の5分から一気に物語は急加速。気づいたら終盤に差し掛かっていました。
なんでしょうか、これまでにない疾走感。
バックパッカーの弾丸旅行を観ているような気分です。


とはいえ、横目で見ていて話がわかるアクション映画という訳ではありません。

宗像とすずめが日本を横断する目的。そして終着駅はしっかりと用意されています。


ネタバレチェックを入れないように、具体的な文言は控えておきますが、、、、赴任先のこの地で観るというタイミングには別の価値がありました。

自分の気持ちに触れるだけではなくて、隣の人、同じ館内にいる地元の人たち、が何を思っているか。
初めて映画館で意識してしまいました。

あの時、あの場所にいた人はこのシーンを観た時に何を思うのだろうか。アニメーションにされたことを感謝するのか、冒涜だと思うのか。
他人の心なので、とても読み取ることはできません。

が、10年、15年という節目で、その時のことを思い出すことには価値があると思います。それは、忌まわしい記憶の再来という意味ではなくて、時間をおいた達観に気づいたり、身の回りの人たちとのちょっとした前向きなやり取りを思い出すきっかけであって欲しいです。
そういった気持ちも含めて、このタイミングでの公開は価値があったのではないでしょうか。

最近観ていたホロコースト映画(「シンドラーのリスト」や、「顔の無いヒトラーたち」など)にも通じるテーマなのかな、と思いを巡らせて、レビューを締めます。
よっしい

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