まなみ

すずめの戸締まりのまなみのレビュー・感想・評価

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
3.0
新海監督は「ほしのこえ」で知って、秒速以降はすべて映画館で観てます。(ちなみに一番好きなのは「君の名は。」)その上で、自分でもショックだったんですが…全然好きじゃなかった…。

新海監督のキャラクターって基本自分勝手で浅はかだしあんまり成長もしない印象があるんですけど(悪口?)、主題が恋愛の作品ではそこ含めて好きでした。恋愛ってどうしようもないもんだし、のめり込んでもそう周りに迷惑かけるわけでもないですし!
それが「君の名は。」ではキャラのエゴはきっちり薄めてきて、万人に愛されるスケールの大きいボーイミーツガールとして素晴らしい作品になってたと思います。
そして「天気の子」では世界を天秤にかけてまでそのエゴと向き合ったところが好きで、さて次が楽しみだなあと思ってたんだけど…。エゴはそのまま世界まで救っちゃおうって話になったのか…そうか…。

せめて救う世界がファンタジーの世界であればまだこんな気持ちにならなかったのかもしれないです…。たくさんの人の心を背負う題材を、キラキラの糖衣で包んで口当たり良く仕上げてこれでよかったのかな。有名監督が扱ってヒットすれば、思い出してもらえれば、泣ければそれでいいのかな…いいのかもしれない、と思ったりもするけれど。意義がないとは言わないけどすっごくモヤモヤした!!

そもそもおそらく脚本が好みではないんですよね…。恋愛、家族、旅先で出会う人、友情、絡み合って強固になってはいないからどれも薄味になっているような気がする。よく喋るのにそれでも腑に落ちない行動をするキャラクターたちはシナリオに動かされてるなと感じたし(たとえば序盤の草太でいえば、わざわざ扉を探してるって言う、忘れろって言ったのに仕事の説明して自己紹介する、とか)ダイジンへの誤解の演出のあざとさなど小手先っぽい演出も鼻についてしまって。好きな人には申し訳ないけど、ほんと!!

もちろん描かれる景色は美しかったんだけどもうそこに新しい感動はなくって。次回作もなんだかんだ観るんだろうけど楽しめると良いな…。映画館で観るかはわかりません。
まなみ

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