このレビューはネタバレを含みます
2022年で最も泣いた映画。
単純でわかりやすく、大衆受けを狙った映画だったけど、それでも。
以下、前情報なく観に行った上での感想。
まず冒頭、すずめが母親を探して彷徨い歩くシーンで「建物に乗り上げた漁船」が短く描かれ、そこで「ああ、震災の話なんだな」と理解した。
中身は色々あれど、災害が起こってきた場所を巡る旅で、すずめの宿命を感じる。
最後のシーン「行ってきます」を立て続けに言い続ける人々の回想はよくある題材だったが、あまりにもリアルな映像と表現で、日常に紛れ込んだ災害が10年以上経っても自分の中にまだ残っていることを気付かされた。
「いってきます」「いってらっしゃい」、そして「ただいま」「おかえり」。この挨拶が立ち並び、特にただいまおかえりを言えなかった死者たちのことを偲ぶと同時に、当時のAC広告で流れていた「あいさつの魔法」をものすごく彷彿とさせて、一段リアルさが増した。
結果、2回観たけど2回ともギャン泣きでした。
別れ話に弱いのかもな……