ういろう

すずめの戸締まりのういろうのネタバレレビュー・内容・結末

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
2.3

このレビューはネタバレを含みます

新海誠監督の恋愛描写や若者の描き方が、心底苦手だと改めて確認した。
君の名は。や天気の子、すずめの戸締りの3作品のヒロインは全員素朴で心優しく、母性に溢れている。多少の差異はあれど、正直全員おんなじ人に見える。人間味がないというか、「純粋で優しい恋する女子高校生」という記号でしかないというか。
「えぇ〜〜?!」と困ったように大声で叫ぶ。ピンチになって一生懸命走る。ちょっと前に会ったばかりの男の子のためにびっくりするぐらい命をかける。毎回こんな感じ。主人公が記号でしかないから、ストーリーの都合で動かされている感がどうしても出てしまう。特にすずめはそれが顕著だった。
すずめって、学校遅刻してまで気になったイケメンのあとを追いかけるようなキャラだっけ。それとも世話焼きな性格だっけ。草太が要石になるのは絶対嫌だけど、自分が引き抜いて「うちの子になる?」とまで聞いたダイジンの場合は、悲しみつつもあっさり受け入れる。なんだかとてもチグハグだ。それは、「若さゆえの未熟さ」なんかを表現しているからではないと思う。単にすずめが記号でしかなく、キャラの掘り下げや描写が足りないからだ。結局最後まで見ても、すずめがどんな子なのかよく分からなかった。
映像は綺麗だったし、震災の恐ろしさは伝わってきた。「大人を信用していない(かった)若者が世界を救うラブストーリー」を脱却した次回作があればぜひ観たい。
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