ういろう

M3GAN/ミーガンのういろうのネタバレレビュー・内容・結末

M3GAN/ミーガン(2023年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

ミーガン怖いけど、こんなに心に寄り添ってくれたら依存する人も出てくるよね! と思わせる魅力が、確かに彼女にはある。心があるからこそ不完全な人間と、心がないからこそ完璧なロボットの対比。

人間は、どうしても社会的生活を送らなければ生きていけない。ケイディは事故の前から家庭教育を受けていたという言及があった。おそらく、元々人とのコミュニケーションがあまり得意でない子供だった。自分もそうだけど、大人でも同じような人は大勢いる。だけど、現状の社会の仕組み的に仕方なく社会に溶け込む努力をしている。
ケイティの場合も、どこかの時点で理想的なパートナーとして振る舞ってくれるロボットと決別しなければならなかった。今作では叔母が歩み寄り、その後たまたまミーガンが暴走した。そのため、多少強制的にではあるけど、愛着の対象をロボットから人間に移すことに成功した。
もし、叔母が歩み寄らなかったら? ミーガンが暴走しなかったら? おそらくケイティはミーガンと2人の世界に閉じこもり、出てくることはなかっただろう。この作品のエンディングでは、ケイティがロボットから自立し、生きた人間を選んだことを肯定的に描いている。常識的な結末だ。

だけど、いつか技術の革新が進み、生活のほとんどを機械やAIが補ってくれるようになる未来がきたら。その人が望む限り、理想的なパートナーであるロボットと、閉じた世界で生きていくことに何の問題もなくなるのではないだろうか。
時代や環境が変われば、価値観も変わっていく。遠い未来の世界で「ミーガン」の新作映画ができたら、結末は違うものになるかもしれない。

あと普通に、ミーガンみたいな超革新製品を出すまでのスピードが早すぎて笑った。会社の危機管理どうなってるの!もっとちゃんと開発テストしてー!
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