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すずめの戸締まりのEyesworthのレビュー・感想・評価

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
4.7
【私は、スズメの明日】

新海誠監督の2022年のアニメーション作品。

〈あらすじ〉
宮崎の田舎町に住む17歳の岩戸鈴芽(すずめ)は、ある日扉を探しているという旅の青年・宗像草太に出会う。 彼を追ったすずめは、山の廃虚に佇む古い扉を見つける。 やがて日本各地にある扉が開き始め、その向こうから訪れる災いを防ぐため、すずめは扉を閉める旅に出ることに…。

〈所感〉
今更だが新海誠監督の最近の話題作を鑑賞。高校時代に見た『君の名は』が刺さったのでこちらも非常に面白かった。あまりこの映画のことは知らなかったが、東北の民としては地震が題材であることに感激。主人公スズメにとっても3.11のあの日は扉の向こうに永遠に閉ざしたくなるような特別な出来事であった。そんな過去にもう一度向き合い始めるストーリーには嫌でも感傷的になってしまう。前半は軽いムードで進行し、ひょんなことから箱入り娘だったスズメがイスになった彼と実質的な一人旅に出ることになり、行く先々で出会う人々に助けられながら未知なる道を歩むロードムービーだった。後半から深刻度が増して重苦しくなるにつれ物語の全体像が見えてきて、成程な!と思う反面、物事が都合よく進みすぎな感じも否めない。何といってもアニメーションが綺麗で、宮崎、愛媛、兵庫、東京、宮城とロケーションの美しさ、その街に住む人々の言葉の素朴さに癒され、ああ日本人で良かったなと純粋に思える。イケメンメガネ男子芹沢くんは優秀すぎ。音楽のセンスもいいし。草太くんはこの親友にもっと感謝すべき。スズメちゃんはかわいくて勇気あるけど、こんな女子高生はいないでしょう。活発で体力が無尽で、男子が思う理想の女子ではある。アニメって素晴らしい。
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