シモン

すずめの戸締まりのシモンのレビュー・感想・評価

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
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ジブリへのオマージュが新海映画史上随一だね。
もののけ姫
千と千尋の神隠し
ハウルの動く城
魔女の宅急便
とかかな?



▼ネタバレ

過去に母親を災害で亡くしたすずめは高校生になり思春期を迎えたことで、母親ロスを克服できずに自暴自棄になる状態が極限に達してしまい、自ら要石を抜いて常世への後ろ戸を開いてしまう。(実際には、限界を感じたすずめの心が扉を開けてしまったんだと思う)

神様ダイジンは、すずめをトラウマの克服に導こうという優しさから幾度も後ろ戸を解放するも、すずめ自身はそれに気づかず、日本列島が災害に見舞われるのを防ぐという名目で扉を閉じることに専念してしまう。(実際には、災害で母親を亡くしたというトラウマから逃避するため心に蓋を閉じるように無意識に扉を閉めようとしていたのかな)

最後は新海誠お得意の “恋の力”で自尊心を取り戻し、母親が死んでしまったこと、そして母親のいない未来を受け入れ、自分の命の大切さを知る。

そして、扉を閉じる時のセリフが“お返しします”という悪い物を扱う意味合いから、 “行ってきます”という母親との大切な思い出に対する言葉へと変化していく


二つ目の学校の後ろ戸を閉じるシーン
草太「鈴芽さん 君は死ぬのが怖くないのか?」
すずめ「怖くない」

草太の祖父と病室で話すシーン
草太祖父「常世は美しいが死者の場所だ。あなたは怖くはないのか?」
すずめ「怖くなんてありません!生きるか死ぬかなんてただの運なんだって小さい頃からずっと思ってきた。でも草太さんのいない世界が私は怖いです!」

草太を常世から連れ戻すシーン
草太の記憶「消えたくない。もっと生きたい。生きていたい。死ぬのが怖い。生きたい。生きたい。生きたい。」
すずめ「私だってそうだよ!もっと、もっと生きたい!声を聞きたい。ひとりは怖い。死ぬのは怖いよ。草太さん…」

これらのすずめのセリフの思いを、実際に被災した子どもたちも持っていたのかと思うと胸が痛くなるし、この映画の優しさを改めて感じられる。



アマプラのドラマシリーズUndoneにどこか似てた。すずめの戸締まり好きな人はオススメ!ちょっぴりダークだけど
シモン

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