カズミ

すずめの戸締まりのカズミのネタバレレビュー・内容・結末

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

映像は安定に美しく、音楽も壮大。設定も神話的で惹かれる要素が多いのだが、今回は全体的に余白に欠け、1.5倍速で視聴したような駆け足感が否めず、いまいちハマることができなかった。
個人的にダイジンに入れ込みすぎてしまい、鈴芽の軽薄な言動の一つ一つに苛立ちを覚えてしまったのが原因かもしれない。頼むから幸せになって、ダイジン……せめて祠とか建てて、神として崇められてて……お供えするから……

話の主線として震災を扱っているが、鈴芽自身がその最たるものを体験しているのに、ノリが成長ロードームービー的だったのも違和感の一つとして大きいと思う。自身のトラウマと対峙し、心を解くのが目的にしては、愛されて育ったワガママ娘の反抗期的な側面が端々に滲み、それが決してただの強がりにも見えないため、過去の真実を聞かされても、像が線を結ばない。
過去作に比べ、主役二人の惹かれ方が(幼少期に会っていたとはいえ)ただの一目惚れ的だったことも、感動できなかった要因かもしれない。どうしても「草太さん、草太さん、うるせえよ。ダイジンを見ろ……!」と思ってしまう。
あとは、やはりジブリの名シーンの寄せ集めのような演出も気になる……

一年前に観たので、感想の一部を忘れている気がする。
いまいち納得できなくて、詳しく掘り下げているであろう小説を買ったものの、まだ読めていないので、そちらで再度内容を確認したいと思います。
カズミ

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