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すずめの戸締まりのwiwiwixのネタバレレビュー・内容・結末

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

「天気の子」は最後に天秤が用意されているーーヒロインを犠牲にして世界を救うのか、もしくは主人公の幸せ(家族にも仲間にも恵まれなかった主人公少年が、やっと手に入れた一つの食卓を囲むようなささやかな幸せ)を優先して、生贄を捧げないのかーー。主人公は自分の幸せを選び、世界を救うことを選ばないのだが、それはエゴなのか?そうではない、という話だった。
本作は主人公もイケメンもどちらも犠牲にならない、天秤がないバージョン。劣化してない?
本作の特徴を加えると、東日本大震災がモチーフになっている部分があるのだが、やや今さら感が。どちらかと言うと、もはや問題は追悼ではなく、追悼が必要だったにもかかわらず今まで充分に追悼しなかったというメタ問題になってしまっている。
作画もやや質が落ちているような…。
ダイダラボッチや魔女の宅急便への言及あり。ダイダラボッチは完敗。
ギャグ割合が増。これは楽しかった。

「人が住まなくなった土地では、住む人の思いによって抑えられていたミミズが湧き出して厄災をもたらす」というモチーフ、これはいがらしみきおの2000年代初頭の作品「SINK」に既に現れている。その上、本作では「人が住んでさえいればミミズを抑えることができる」とも理解できるが、SINKにはより本質的なアイデアがある。いがらしの慧眼が異常なんだけど…。
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