このレビューはネタバレを含みます
★4.4 できすぎたきれいな話ではある。THE 物語でしかあり得ないような。
役所の市民課の課長のウィリアムズ。気高き英国紳士さながら、決まりきった型にはまった毎日を当たり前に過ごしてきた。無駄なことはしない。
そんな彼が自身の余命を知り、意味のあること、誰かのためになることをしようと動き出す。
エイミールーウッドがとりあえずかわいすぎて。キュートな彼女とビルナイの関係性がよかった。課長をミスターゾンビって呼んじゃうあたり。
ミスターゾンビは自分の死を知った時、まず好き勝手やってみる。バカほどお酒を飲んでみたり無断欠勤をひたすらしてみたり。でもそれって虚しいだけ。誰かのためにと思うと頑張れるものだし、日々続いていく仕事はただやりこなす(やり過ごす)だけになるけれど物事の最後が見えるとそれに向かって頑張れるもの。
彼はこれが最後と決めた仕事を終わらせ、独り雪のなかで亡くなる。でもその最期は決して寂しいものではなく、達成感に満ちた幸せな最期であった。
この行動に少しでも心動かされる人がいたことは彼の財産になったはず。