まず、もの凄く腹が立った。それが狙いなんだろうと思うと余計にムッとした。
わたしはこのコロナ禍の東京オリンピックのアスリートの数多くの競技をTV越しに楽しんだし、その中で色んな記憶がある。
河瀬監督はただただ今流行の「問題提起」を残したかっただけだ。この監督の視点にはまず、優しさや、選手や競技への尊敬を感じない。というより本当に残忍だ。
特に二人の母親となったアスリートを対比してみせた構図。オリンピックに出場する選手は、辞退することは引き裂かれる思いだったはずだ。それを無神経に追う視線。本当に胸糞が悪くなる。
この映画は、監督がただただ批判や論争を生むものを世に提示したかっただけだ。そういうものが優れた作品として評価される風潮にももううんざりだ。
最低だと思う。
終盤で女子重量上げに出場したトランスジェンダーである元男性選手も短くではあるが差し込まれていて、本当にゲンナリした。五輪という場で性別が男性であるのに、性自認が女性というだけで女子競技に出場することを望み、それを許容した。延長線上の現状の女子競技の破壊を意識もしていないのでは。