映画の中で実験が失敗しろと思った。これは日本人の感覚なんだろう。IMAXの画面と音響の大きさ。着ていたワンピースの袖がビリビリ震えているのを感じた。映画館にいた人全てがその瞬間に固唾を飲んでいた感じがした。いつもの倍しんどい。
マンハッタン計画とロスアラモスの成り立ちトリニティ実験赤狩りによる追放などの時系列が入り乱れて提示されるいつものノーランで更に登場人物の多さ。まぁ本当にいつもの倍しんどい。
ファットマンとリトルボーイらしき荷物が運ばれる。広島と長崎に投下された原爆が戦争を終結させたという勝者の主張を子供の頃から教師にも植え付けられて育った世代ですが、まぁふざけんなよ。ですわね。辺境のアジア人が22万人死んでしまおうが彼らにとっては今も「しょうがない」んだろう。
プロメテウスか。まぁ、誰かがそれにはなるんだろう。それがオッペンハイマーだったというだけで。科学者というのはある種楽観主義者なのは、まぁ想像できる。贖罪の意識は、まぁ、後付けですよね。むしろ世界の破壊者になる事を夢想していた事も匂わせていたような。アンビバレンツな感情は人間誰もが持つものだ。
政治家は違う。トルーマンは、許さん。そういえば、ゲイリー・オールドマンは後スターリンやれば1人でポツダム会議できるじゃないですか。
正直この複雑な映画が全米で大ヒットしたり、バービーと一緒に宣伝したりするのがなんか本当に謎だなとかずっと思ってたんだけど、昨日Twitterで親族のロスアラモスでの思い出話が流れてきて、もしかしたらアメリカ人の戦時中の郷愁みたいなものもあるのかもしれないな、とか思った。敗戦国である日本人にはない感覚だけど。
