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エンパイア・オブ・ライトのmのレビュー・感想・評価

エンパイア・オブ・ライト(2022年製作の映画)
4.0
映画館とそこで働く人々の話で、映画のことというより人の話。泣くようなシーンではないようなちょっとした会話だったり景色だったり人の佇まいに何故か何度も涙が出てきてしまった。舞台のエンパイア劇場がとても素敵で、今は使われていない上の階の廃墟感もめちゃくちゃ好き。あまりにも素敵だったので調べたら、イギリスの海辺の街に本当にある元映画館で、撮影用に大規模な改修工事を行ったとのこと。お金があるって凄いや。中はセットだそうだけど、本当に素敵な映画館だ。そして映像もとても美しい。

ただ、いろんな話と要素が詰め込まれていてごちゃごちゃしている感じがした。
映写技師のノーマンの話は少しあったけどヒラリーとスティーヴン以外の人たちも皆素敵だったのでもっと知りたかったなというのと、ヒラリーとスティーヴンには性愛ではなく友愛であって欲しかったという勝手な感想。この話にはあまりそういう要素が無いほうが良かったように思った。性愛がなんかしっくりこなかった。

楽しい話ではないし辛いシーンも多いが、優しく温かい、希望のある話だった。そしてサム・メンデス監督は映画が好きなのは当たり前だろうけど、映画というものをとても信じているんだろうなと思った。
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