shiro

TAR/ターのshiroのネタバレレビュー・内容・結末

TAR/ター(2022年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

ベルリンフィルの主席指揮者の物語。
なんとも、懇切丁寧にしんどい人物を描いた作品でした。

こんなにも世情に疎く、危機を招いてしまうことあるか?とも思けど、なんだかありそうなのが、オーケストラの指揮者という存在かもしれない。
ターその人物像は傲岸不遜、人を見る目がない、詰めが甘い、短慮、でも芸術家である。
ジュリアードのレッスンで、バッハ嫌いな学生に、始めは冷静に言い分を聞きながら、次第に苛立ち、なんとかバッハの音楽性を説こうとするター。
印象的な場面だが、ターは演奏によって通じ合えると、バッハの力を信じていた。
(それにしても、あの学生のびっくりバッハ論はありえへん)
公演に向けて、ターの情熱的なリハーサルが進む中、少しずつ毒が回るように楽団員やアシスタントや恋人との関係が綻んでいく。
自業自得ではあるが、見ていてしんどかった。
カフェでのゴシップや愚痴、楽団員のオーディションなどなかなかリアルでした。
そしてそして、想像できなかったラスト。
ゲーム音楽について、良いも悪いも思わないが、びっくりな(現実では無いと思う)ラスト、これは笑っていいのかしら?
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