りか

TAR/ターのりかのレビュー・感想・評価

TAR/ター(2022年製作の映画)
4.7
"音楽が素晴らしいのは様々な感情を与えてくれること。そこに言葉はいらない。音から音へ常にどこかへ流れながら変化している。それが100万の言葉以上に我々の心を動かすんだ"

世界最高峰のオケ、ベルリンフィルの常任指揮者の地位にあるリディア・ター

絶対的な権力を持つ彼女を取り巻く人間関係はギブアンドテイク
彼女に見返りを求め、彼女に尽くす
そうしたギブアンドテイクの関係は長く続くわけもなく、ギブがなくなると関係は破綻し恨みつらみに変わる

そこには本当の愛や感謝といったものはないんだろうな
ター自身も含めてお互いに...


ジュリアード音楽院での授業で平均律クラヴィーアを弾きながらバッハについて語るター
この分析が素晴らしく、作曲家への愛が溢れていた

作曲家の意図を汲み取り、表現する彼女の真摯な姿勢は終始一貫していた
それはどんな大曲であろうと小さな曲であろうとも一切差別はない
作曲家に敬意を払い、作曲家の想いを読み取り音で表現力する
自らが蒔いた種を刈り取る困難をものともしない彼女の強さは作曲家、作品への崇高な愛ゆえなのかも知れない

冒頭の言葉はターの師匠であるレナード・バーンスタインの言葉を要約しました。あまりの素晴らしさに何度も聞き返しました


    🎼♪︎♭︎♪︎♪︎♪︎♯︎♪︎


今作が今年のレビュー納めです✨
いいね!やコメントをいただきありがとうございました✨
ひとりの人生では体験し得ない、色んなな人生を体験できる映画って素晴らしいですね✨
皆さんのおかげで多くの素敵な作品に出会えたことに感謝の気持ちでいっぱいです✨
来年もどうかよろしくお願いいたします
良いお年をお迎えください✨
りか

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