りか

奇跡のりかのレビュー・感想・評価

奇跡(1954年製作の映画)
4.5
タイトルの「奇跡」がどんな形でやってくるのか、本当に奇跡のようなことが起こるのだろうか...
そんなことで頭がいっぱいの中鑑賞


同じ宗教を信仰しながらも自身の利得のためにいがみ合う人々
彼らは熱心な信者でありながらも神から一番遠い存在のようでした

本当の幸せは神が与えてくれるものではなく、自分の心の居場所が天国なのかどうかということ
幸せとは自分次第なのかも知れません

一見正しいと思えることがそうでなかったり、おかしいと思えることが正しかったり
そもそも正しい定義とは何なのか...

モノクロならではの映像の美しさ、清らかさに心が洗われ、タイトルのことなどすっかり忘れていた頃にびっくりするような奇跡が起きました✨
それはまさに奇跡としか言いようのない素晴らしい出来事でした✨

奇跡とは神からの贈り物ではなく、人間の美しく崇高な部分によって引き起こされることのように感じました

そして、ずっと観たいと思っていた今作を映画館で観ることが出来たのは私にとって奇跡のようでもありました✨



今年9月、京都の老舗ミニシアター「京都みなみ会館」が約60年の歴史に幕を閉じました。
今作は最終日9月30日の最終上映の作品でした。
満員の観客の中、いつものようにスタッフが上映のアナウンスをしてくださると拍手が起こりました。
そして上映後の「ありがとうございました」の言葉にも割れんばかりの拍手。
ロビーでは映画好きの面々が名残惜しそうに写真を撮っていました。
外は土砂降りの雨、なかなか帰れそうにありませんでした。

リニューアルして数年のシアターでいつかまた映画が上映される「奇跡」を願って今作が上映されたのではないかと思いながら帰路に着きました。
ありがとう「京都みなみ会館」
りか

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