み

TAR/ターのみのネタバレレビュー・内容・結末

TAR/ター(2022年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

名誉男性の話だなーと思った オケの部分はのだめカンタービレを履修していたのできちんと理解できた 哲学者も知っていて良かった
『多様性』の末、今後こういうことも現実に起きうるだろうし、またそれは現代の性差別がやはり根深い、問題は一つではなく独立もしていない、繋がっている
ところで、これは名誉男性とは少し違うのかもしれないけど、リディアのように自分で全て選択してきた(あるいは性差別に頓着していないように見える)女性の中には、たしかに「女は全て自分の意思で選択できる、私たちは自由、だから不名誉なことも不当なことも自己責任」と思っている人が一定数いて、でもこれは、同時に意識的無意識的に関わらず差別されてきたが故の処世術でもある 前提として自分は可哀想じゃない、男性に一つも劣っていない、という意識がある だから性加害に関しても「女が選んだ」という認識になる 男性だけでなく、そういう女性は少なからず存在している
で、国際女性デーを知らなかったり、夫のために作曲を諦めた妻のことを「彼女が自分で選んだ」と言ったり、リディアのそういう部分が垣間見える台詞が時々あり、すごかった
ペトラ、別にパパ呼びしてないよな?リディアって呼んでない?と思った 口調もそうだったけどリディアの有害な男らしさというか父権というか名誉男性感を明確にしたかったのかな
構造として複雑すぎる ケイト・ブランシェットにしか演じることはできないけれど、これをあてがきした監督もすごすぎる
悪事をタレ込まれてフランチェスカの家にカチコミにいくシーン、本当に最悪だったけどファッションがおれの大好きな系統、大好きなケイト・ブランシェットで、気が狂うかと思った
ケイト・ブランシェット、かっこいい、愛してる、引退してほしくない

なんか最終的に、やっぱり女はもっと女の持つ加害性を自覚したほうがいい……になってきちゃった 自分もそう
み