み

シチリア・サマーのみのネタバレレビュー・内容・結末

シチリア・サマー(2022年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

普通に落ち込んでおります
ジャンニの母親の演技がすごすぎた、息子を息子として愛したいし瞬間瞬間はたしかに愛しているのだけれど、怪物にしか見えない、理解ができない、そういう怯えた目をしていて、すごかった、ニーノの家族もそう
差別っていうのはやろうとしてやっているだけではなくて、ごく自然に理解できず、ただ『自分の中の常識』に当てはまらないものを見るのが怖いからそれを潰そうとして生まれるものでもあるんだ、と思った
そういえば、ニーノが家族から糾弾されるシーン?その前のお母さんのカット?で壁に貼られたキリストの絵が写っていて、やっぱり宗教観はそらそうだよね、と思った
イタリアは特にそういう宗教的な部分もかなりあるだろうけど、閉鎖的なコミュニティ、差別、親子、ニーノという恋人、実際の事件で捕まった甥がモデルのトト、ぜんぶ苦しい
トゥーリもフランコももちろん善人ではないけど悪人でもなかったな 苦しい
でも恋の描写はめちゃくちゃかわいくて、ジャンニは花火の話なんか全然聞いてなくてマジでずっ……とニーノの顔を見てるし、もっとたくさん触れる機会ってあったのにワールドカップの興奮でキスしたのもめちゃくちゃ良かった、そこなんだ、ていう
あとトトは、ニーノへのやきもちの顔というよりはじめから差別主義者の顔のように感じていたので、今複数の感想を読んで、そこが興味深かった
まだ小さいのにすごい役者さんだな
み