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モリコーネ 映画が恋した音楽家のせっのレビュー・感想・評価

4.0

イタリアの作曲家モリコーネが、イタリアの西部劇から始まり、アカデミーに何度もノミネートされるまで映画音楽の神様になるまでを追ったドキュメンタリー。

私の人生ベストに『アンタッチャブル』と『ニュー・シネマ・パラダイス』は入ってるんだけど、半分は音楽に感動してるから大好きなんだと思う。これは坂本龍一さんにも通じるところがあると思うんだけど、ちゃんと深く映画を見てなくても映像と音楽でなんだかエモい気持ちになるんだよね。

でもこのエモエモの音楽が完成されたのはキャリアの転換期となる『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』からだったんだなと思った。それまでは、劇中でモリコーネ自身が言ってたように真面目と滑稽さが混在してる音楽が多いような気がした。その2つだけでなくて、悲しさ楽しさ怒りどんな感情も入ってて、映画がどんな方向へ進むか惑わされてるような感じ。

それが真面目なのかちょっとふざけてるのか、でもメッセージもある西部劇と合ってたのだろうし、モリコーネが映画を見て感じた生の感覚で作ってるっぽかった。でもキャリアを積んでいくにつれて、生の感覚より監督との対話を重視してるように思った。

モリコーネは作曲だけでなく誰よりも映画を理解する能力が高かったんだなぁ。そういう意味では監督にとっては一番の良き観客でもあったんじゃないかなぁ。

これ、日本だったらドラクエの作曲した人とか同じように映画作れそうだけど。映画音楽の価値を高めたのがモリコーネだったらゲーム音楽の価値を高めたのは椙山高一さんとかは言い過ぎ?(笑)

ドキュメンタリーで157分は長いよ。しかもずっと喋ってて字幕読むの大変だし、モリコーネを賞賛する箇所もっとキュッと出来んかったの(笑)
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