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モリコーネ 映画が恋した音楽家のhoshikazukanjoのネタバレレビュー・内容・結末

3.9

このレビューはネタバレを含みます

モリコーネは手紙を書くように(楽器を触らずに)楽譜を書く。我々が言葉を練るのと同じような形で音楽をつくる。彼自身は本当は医者になりたかったらしいが、トランペット奏者である父親の勧めで音楽の道を進んだ。芸術のなかでも、特に音楽のセンスは誰しもが持ってるわけではないと思うし、だからこそ“時間芸術”という点で音楽に近いところにある映画界には、もともと音楽が好きだったけど向いてなくて映画の道にきたという人が多いのだと思う(その逆をいく人は菊地成孔さんしか知りません)。親の勧めの通り音楽家になってしかもここまで花開くって珍しい気がする(けどもしかしてよくあることなんですかね)。

モリコーネの携わった作品、あまりに多すぎる。9割方観れてないことを知ったけど、このドキュメンタリーを見るまでモリコーネの作家性は、ゆったりした旋律でそれこそ「音を伸ばすことで物語を語る」(この表現好き)というのが最大の特徴だと思っていたけど、こんなにも幅の広い人だとは知らなかった! 実験音楽を通っている人だったとは…!

今回はじめて知った曲のなかで、三拍子のメロディーを四拍子に入れたというSe telefonandoは特に好き。ニューシネマパラダイスが一番有名だと思うけど、そこにあまり時間を割かなかったのは言わずもがなだからかな。

音楽家特有のかっこよさを、映画畑の私は羨ましく思っていたのだけど、音楽・美術・建築・文学の合流点である映画やっぱり好き///と思ったね。
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