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マーシー・ブラックのfishmuttonのレビュー・感想・評価

マーシー・ブラック(2019年製作の映画)
3.4
幼い頃に“マーシー・ブラック”に願いを叶えてもらうために生贄を捧げる事件を起こしたマリーナ。15年後、彼女は精神病院を退院し、姉・アリスと甥・ブライスの暮らす生家へ帰る。事件の記憶を封印していた彼女だったが、ブライスも“マーシー・ブラック”が見えると言いだし・・・というホラー。

まあ良かったと思う。
都市伝説ホラーっぽい感じで好みだった。

“マーシー・ブラック”は妄想か実在する怪異か?という現実と虚構の狭間でゆらゆらするモジョモジョ感を楽しんだ。
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マリーナ:レベッカと共に事件を起こし収容されていた。事件当時母親が不治の病で、それを治してもらおうと実行した。“マーシー・ブラック”は統合失調症による幻覚幻聴とされ、15年間治療を受けていた。そのため、スマホは所持しておらず、ネットも知らなかった。彼女の事件は、「少女が起こしたショッキングな儀式的事件」として世間に拡散され、模倣犯も出ていた。
レベッカ:マリーナに事件の実行を指示したとされる少女。
ブライス:アリスの息子。マリーナの甥。母親からマリーナはイギリスに美術留学に行っていたと聞かされていた。また、父親はNASAで極秘任務中と聞かされてもいた。父親の不在が寂しい。“マーシー・ブラック”の名を図書館で調べた後に彼女が見えるようになり、怯える。
アリス:マリーナの姉。
男:アリスの恋人。マリーナが嫌がっても事件について執拗に聞く。実は“マーシー・ブラック”事件について調査しており、マリーナを使って一攫千金を狙っていた。
司書:ブライスの行く図書館の司書。彼と親しい。(“マーシー・ブラック”が見えるようになり)豹変したブライスを気にかける。
リリー:“マーシー・ブラック”事件の3人目の少女。マリーナとレベッカにより生贄にされた。

途中まではリリーの自作自演。しかし、都市伝説がそうであるように、信じる力が架空の物だった“マーシー・ブラック”に力を与えた。と私はとらえた。
リリーの場合は刺し傷→治癒で彼女は体を得られなかった。一方、ブライスの場合は目をつぶした=治癒不可能な傷であるから彼女は“目”を得たのかなと思った。しかし、そう考えると今までの模倣犯では彼女は肉体を得られなかったことが気になった。「オリジナルに捧げ物をした」というのがポイントだったんだろうか。

あともう1つ気になったのは、“見えない家について”。子供が話さなくても、警察は事件現場周辺徹底的に調べないのかなって。警察が調べなくても、熱狂的なファンがいるような事件なら聖地巡礼する奴らが見つけそうな気がする。なのに15年も存在が明らかにされなかったのは、私には不自然に感じた。

力を得た彼女が、その後どのように行動するのかが気になった。
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