夜行列車に乗ったカリート

神々の山嶺の夜行列車に乗ったカリートのレビュー・感想・評価

神々の山嶺(2021年製作の映画)
4.5
登山に人生を掛ける男たちの気概を綴ったドラマ映画

とても好きな作品でした。

エベレスト初登頂の歴史が変わるかもしれない…。
雑誌カメラマンの深町はその疑惑から、手掛かりとなる登山家・羽生を追いかける、…という構造でストーリーが展開されます。

表向きのストーリーはミステリー調に作られていましたが、話の本筋は羽生の人生を追いかけて、なぜ過酷な山へ登るのか…という点にフォーカスしています。

アニメーション作品ですが、登山シーンも過酷さが伝わってきます。ただ、表現という意味では実写の方が迫力があっただろうなとも思いますが…。

羽生の生き方には凄く共感出来ます。
なぜ登るのかというのは、なぜ生きるのかと問うのと、同義ですね。

人は生き方を選択できます。
ただ、どの道を選んでも、広義の意味では同じだと思うんですよ。

毎日同じスーツを着て仕事に行く人、過酷な登山に挑戦する人…。
人それぞれの選択があって、自分の命・人生を家族とか仕事に捧げる人もいれば、山登りに捧げる人もいるんですね。

サラリーマンからすれば、あんな過酷な山になんで登るのかって思いますけど、登山家から見れば、一度しかない人生をなんでサラリーマンに費やすのか…みたいな。

それだけの話で、なぜ登るのか、なぜ働くのか、なぜ生きるのかなんて、その問いかけ自体が本当は存在するべきものじゃないんですね。

ただ自分の選択を、生きるのみです。