「田舎の日曜日」
ベルトラン・タヴェルニエ監督作品。
郊外の邸宅に家政婦と暮らす老画家のもとに、日曜日に息子家族と娘がやってきて帰る。というだけの話。なのだけど。
溢れるような自然、美しい邸宅、印象派の絵画をそのまま実写にしたような（カフェやピクニックのシーンとか、かなり意識して敢えてそうしてると思う）映像が素晴らしい。
そして、自分の画家としての人生を娘に語る画家の、人生の終わりを意識したような寂しさと、特に可愛がっている（心配もしている）娘がもそそくさと帰ってしまう、（恵まれた環境とはいえ）やもめぐらしの寂しさと、両方が静かに重なっていく雰囲気に、すっかり寂しくなってしまった。
ちょうど週末、かなり高齢になってきた両親の相手をして疲労困憊して帰ってきたあとのタイミングだったせいもあるかもしれない。（身につまされすぎた(苦笑)）
歳を取った親を気遣いながらも、それぞれの人生のなかで最優先にするわけにもいかない子供たちの事情も、田舎の年寄りの家に行ってもなにも楽しくないと言い募る孫たちの気持ちも、時代や国が違っても万国共通みたいなところがある。
そういうわけで「東京物語」を思い出したりもした。
#田舎の日曜日
