つるみん

評決のつるみんのレビュー・感想・評価

評決(1982年製作の映画)
4.0
シドニー・ルメットという監督にどんどん惹かれていく。今年は『未知への飛行』『デストラップ』『旅立ちの時』そして本作と4作品も観賞出来た。

〝社会派シドニー・ルメット〟まさにそれを象徴するかのような一作。とても楽しめた。
説明的なシーンはほとんど無く、そのワンショットで人物の人間性を凝縮させる達人。特に本作のオープニングでポール・ニューマンがピンボールで遊ぶ姿。酒、煙草を横に置き高得点を必死になって狙う姿。もうそのシーンだけで、彼がどのような人物かだいたい想像がついてしまう。そこからのストーリーに沿う形で情報が肉付けされていくので、それぞれのキャラクター像がハッキリしているのも良い。
主人公ポールニューマン、敵役のジェームズ・メイソン、ヒロインであるシャーロット・ランプリングなんかは最高。

法廷映画として見た時には少し盛り上がりに欠ける所があり(エンタメの綺麗な展開ではない)、本来カタルシスを感じられるであろう部分にあまり感じることができなかった。ただヒューマンドラマとしては濃厚で、ポールニューマン演じるギャルヴィンの苦渋の成長劇でもあり、シャーロット・ランプリングとの男女の関係をも描いてある深い作品。

ヒューマンドラマとして高く評価する。

エキストラとしてブルース・ウィリスが出ているのでぜひ探してみてください。


では、良いお年を。
つるみん

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