便箋に走らせるペンの音から始まり、ボクシングジムのミット打ちなど様々な現場音が立体的に浮かび上がる。
すっぴんで険しい表情の岸井ゆきの演じるケイコと周囲の人々との日常を淡々と描いているが、説明的なセリフはなくとも映像や光や演技(演出)が素晴らしく、どのカットもどのシーンも雄弁。
手話に対する訳のテロップの付け方も誠実だなと。
皆素晴らしかったが、特に終盤の三浦友和演じる会長とのシーンは、涙が止まらなかった。
人と人とが心を通わせて信頼を寄せあうのに言葉のあるなしは関係ないのだ。
ボクシング映画はよいものが多いけれど、
この作品も評判に違わず傑作でした。
ぜひ、音響のいい映画館での鑑賞をオススメします！
