ENDO

にっぽん・ぱらだいすのENDOのレビュー・感想・評価

にっぽん・ぱらだいす(1964年製作の映画)
4.0
赤線撤廃前夜。加賀まりこだけが気づく隣の廓『モン・パリー』で夜な夜な行われている折檻、宙吊りの足だけが揺れている不穏さ。唐突!ホキさんの明るい運動だけが救いだ。長門の不気味な哄笑に無人のトルコ風呂の内装が重なる。勝呂の試合は競歩で滑稽なのに嵐の音で突然、無人化する競技場に独り取り残される荒涼とした景色の落差。香山さんの死相の裏で、勝呂は新しい子とよろしくやってる。あとは働く女たちの顔顔顔、客の男の顔顔顔。みんな可笑しくも哀しい、十把一絡げにはできない人間賛歌。嗚呼、無情。
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