このレビューはネタバレを含みます
あの時の道であの行き方でないとたどり着けない思い出がある。時に目的と同じほどに手段が重要である。
そんなことを考えながらゆっくりした時間をトムと共に旅できる映画。
語らずに見せる
物語終盤までトムの目的は分からない。娘の墓参りが描写されて初めて妻が故郷を離れた意味が分かる。言葉で説明せずとも画と音で表現できるのは映画の価値と言える。
誰にも触れられない
SNSでトムの道中が拡散され、彼は「バスヒーロー」として有名になる。だが、誰も彼の本当の目的は知らない。誰にも触れられない妻との思い出に出会ったトムはバスヒーローではなくメアリーの夫である。