予告を見るにつけ、なんとも不穏な感覚に引き付けられて。
期待して見に行ってきましたが。まさに“不穏”が支配する映画でありましたね。
サスペンス調の展開でありますが。言ってしまえば その真相というのは「まぁそうだよね」と察しがつくようなことであって。
そのうえでですが。ネタバレ込みで言うなら。
そもそもは虐待されている子供の救済という思いがあったとのことだけど、映画的には そういうシーンが極端に少ないので、ちょっと伝わりにくかったかな。良い話なんだけど。
また厳密に言うと、魂を抜かれた人たちの存在と、窪ファミリーに起きていることとは手法こそ同じであるものの、動機が全く違っているので、いろいろ薄まっちゃう印象もありました。
ですが、その中で満足度を高めてくれたのが、玉木宏さんの存在ですかね。
笑顔と狂気、どちらにも受け取れるような あの微笑みは、まさに映画の不穏さを体現されているようで。非常に良かったです。
「この子は邪悪」というタイトルに関しては、この子って誰やねん…という感じで引っ張られましたが。
ラストまで見ると、あぁそういうことですかと。その点、ちょっと面白かったです。
さて、作中では指を横8の字に動かす動作というのが ひとつのキーにもなっているんだけど。
横8の字。要するに“∞”でもあるわけで。
この物語。ここで終わってるように見えて、まだまだ…ということにも思えますね。