味噌のカツオ

リンダはチキンがたべたい!の味噌のカツオのレビュー・感想・評価

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青い背景に赤いものを持った黄色い人物が描かれたチラシを見て「まさかね」という印象だったのですが、これがそのまさかで。
この描かれ方が、そのまんま このアニメーションの映像表現で。

登場人物の輪郭はあれど、キャラクターはそれぞれが単色でベタ塗りされていて。
昨今の日本のアニメ作品って、リアル指向が主流になっていて、デフォルメしたキャラクターデザインからはどんどん遠ざかっていますが。

今作は姿かたちでの おとな、こども、様々な職業の違いはあれど、それなりにラフなタッチで描かれていて。それでいて動きには妙な躍動感がって。
確かに序盤は「なんだこれは?」とも思うけど、こちらもそれ相当に脳内で情報が補完されていくので、そうしたところは そのうち気にならなくなります。

一方で気になるのは、物語の転がり方で。
主題としては「パプリカ・チキンを作る」という一点ではあるのですが。

監督のキアラ・マルタは「スクリューボールコメディが好きで…」とのことで、まさに いろんな人たちを巻き込み、どこに転がっていくか予断を許さない展開。さらにはミュージカル調に歌で感情を表現するシーンもあったりして。
ぶっちゃけ 所々で乱暴な表現もありましたが、それも込みで、終始 作品世界に飲み込まれて。
ヒヤヒヤしながら、ドキドキさせられながら、結構笑っちゃいましたね。

とにかく シンプルに楽しめる素敵な映画であるのは確かだけど。
よくよく考えると、日本人のわたくしには「パプリカ・チキン」と言われても どんな料理なのかはイメージができなくって。

入場時にいただいた 名刺サイズのキービジュアルのカード。その裏面を見たら、キアラ・マルタ監督による「パプリカ・チキンのレシピ」が書かれていました。
これに倣って作ってみるべき!?
味噌のカツオ

味噌のカツオ