味噌のカツオ

ゴッドランド/GODLANDの味噌のカツオのレビュー・感想・評価

ゴッドランド/GODLAND(2022年製作の映画)
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あらすじからもキービジュアルからも、何を表現したい映画なのかわからなかったのですが。わからないからこそ興味を惹かれて鑑賞してまいりました。

わからないというならば、そもそも今作の舞台となっているのがデンマークであり アイスランドであり。
これまでにもいろんな国の映画を見てきてはいますが、デンマークやアイスランドの作品って見たことはないかな。

でも、どんな国であろうとも、言葉がわからなくても、映画は映画だとは思うのですが。

ところが、そのデンマークとアイスランドであることが この映画の大きな要素でもあったようで。
時代は今から百数十年前。そしてアイスランドはデンマークに統治されていた地であって。

ここに登場する人たちはデンマークとアイスランドでの言語の違いがあって、言葉によるコミュニケーションができない。また統治する・されるという関係性もあり、感情的にも どこか複雑な思いもあって。

そうした舞台設定の上に立ちつつ、なおかつ人それぞれに個人の感情というものも関わってくるので。
まぁそりゃ わたくしなんぞがブラリと見に行ったところで、理解は追い付かないわな。

だからと言って、わたくし自身は 必ずしも退屈だったということはなく。
ひとつの見どころとしては、全編に共通する映像の美しさですかね。
そこに映し出されるアイスランドの大自然は まさに春夏秋冬、さまざまな季節の顔があったり。
明るい日差しの下だったり、幻想的な光の輝く夜だったりの情景は ただただ目を惹きつけられますし。流れる溶岩の映像も、この地特有の自然を感じました。

さらにはそんな大自然の中で息絶えた馬が、徐々に朽ち果てていく映像は ある意味圧巻。
しかもこれは特殊効果で表現したものではなく。実際に年月をかけて、定点カメラ状態で記録していったものであって。
なんとも神々しいものでありました。

そんな表現の映像が、この物語のラストにもつながってはいるのですがね。
でも独特なメッセージを持った作品であるのは確かかな。しっかりと味わい尽くすには、条件が厳し過ぎるけど。

そんな中でも万人が見て理解できるのは、とてもかわいいワンコが 見事な演技を見せてくれてるってトコかな(笑)
あとルーカスは写真を撮ることをライフワーク(?)としていたようなんですが。妹ちゃんが馬の背の上でふざけ続けるのも面白かったですね。
味噌のカツオ

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