味噌のカツオ

ミッシングの味噌のカツオのレビュー・感想・評価

ミッシング(2024年製作の映画)
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2021年の『空白』、2022年の『神は見返りを求める』に続いての、吉田恵輔監督最新作。
いずれも社会的には 実際にあるようなシチュエーションの中で、善意だったり、悪意だったり、わからなくもないが さすがにそれはちょっと…と言いたくなるような感情がクロスしていく物語であります。

映画の終盤。
無事に解決した別の失踪事件の母娘が、ビラ配りをする沙織里と豊の前に現れた場面。
失礼な言い方かもしれないけど、第三者からすると ビラ配りをする光景を見ても、解決の道は遠いんじゃないかなどと考えてしまいますが。

わたくし自身なんかも 大きな地震での被害や 殺人事件や悪質な交通事故を見て心を痛めることはあっても、なかなかそれ以上は動けないんだけど。
結局のところ 実際に同じ痛みを味わったものにしかわからない思いというのかな。何か、そうしたものが突き刺さってきました。

最愛の娘の失踪という現実を前にして。その中でできること。誹謗中傷した相手への訴訟。
またメディア側のできること。寄り添う…という言葉の意味ではなく本質というもの。

わかってる。わかってはいるけど、そのわかってるつもりであることを見透かされながら。
いろいろなことを考えさせられる映画でした。
味噌のカツオ

味噌のカツオ