メイマーツインズ

きさらぎ駅のメイマーツインズのレビュー・感想・評価

きさらぎ駅(2022年製作の映画)
3.5
《そこは、たどり着いてはいけない異世界》

恒松祐里主演、都市伝説を映画化したホラー作品。
Netflixで人気上昇中ということで。


民俗学を学ぶ女子大生(恒松祐里)が卒業論文の題材に巷で噂になっている都市伝説”きさらぎ駅〟をと考え、投稿者(佐藤絵梨子)を取材する。
そこで”きさらぎ駅〟に行くヒントを得た彼女はそこに行こうと試みる。
彼女を待っていたのは、この世ではないまさに異世界だった…

”きさらぎ駅〟という架空の駅は、2004年に2ちゃんねるでの怪談の実況形式で登場したらしい。
舞台は静岡県浜松市の遠州鉄道。
そこから同様の体験談がネットで話題となり、都市伝説になっていったという。
こういう都市伝説の映画化って、地元福岡で有名な心霊スポットを描いた”犬鳴村〟がすごい駄作だったので、あまり期待はしてなかったけど…
なかなか上質なストーリーで、見応えのある作品になっている。

観る者に臨場感を与えるカメラワークは秀逸。
まるでバーチャルゲームの世界に身を置いているかのようだ。
ただ、”きさらぎ駅〟でのドタバタ劇の演出にチープさを感じるのは残念。
もう少し練って欲しかったなぁ…

展開も無駄がなくスピーディーで、クライマックスからラストへの流れは想像以上の完成度。
ちょっと前にレビューしたタイ🇹🇭産ホラー”女神継承〟にはなかった繊細さがあって、ジャパニーズ・ホラーの脚本のレベルの高さをあらためて感じさせてくれる。

ホラー映画は観る者を恐怖で包み込む演出も大事なポイント。
脚本は良いだけに演出次第では傑作になっていただろう、そんな作品です。