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マイ・ブロークン・マリコのKAJI77のレビュー・感想・評価

マイ・ブロークン・マリコ(2022年製作の映画)
3.7
"辿り着く景色だけが全て"

ヤサグレOLと遺骨になった親友のバックれロードムービーでした。📽
ある種、今作が傑作『テルマ&ルイーズ』への、現代的なアンサーになっていると言えるかも知れませんね。

親友の勧めで原作の漫画を読んだのは半年ほど前でしたが、かなり精密に映像文学に落とし込めていたのではないかと思います。
それゆえにリアルにあるまじきコミカルさに初めこそ違和感があるかもしれませんが、慣れて仕舞えばこっちのものです。
永野芽郁ちゃん扮するシイナと、本田なおちゃん扮するマリコの絶妙に噛み合わない関係性、バランス感覚についてはかなり再現度が高いと感じました。

個人的にビックリしたのは窪田正孝くんのキャラクターへのハマり様。
一歩間違えば信用ならない不審者にも、説得力に欠ける風来坊にもなりかねないのに、そのギリギリのインコースを攻めに攻める好演だったかと思います。静かながらも、凄みを感じました。


そしてこちらも私事ですが、一緒にこの映画を観た子と晴れてお付き合いさせていただける事になりました…。(僕なんかには勿体無いほど綺麗で芯のある聡明な子…こっちから告白しといてなんですが、僕なんかで良いのか…?)
この作品を二人で観たこと、エンディングで響いていた歪んだユニゾンチョーキングの音色、隣にいた彼女の真剣な表情、映画館を出て吸ったセブンスターの甘い味をきっと、僕は簡単には忘れないんでしょうね。
そうやって一人一人が自分なりの眼差しや思惑を持って同じ方向に釘付けになっている、映画館という空間の美しさ。
そういうムードを感じるに相応しいテーマを持った一作だったかと思います。
漫画を教えてくれた大親友にも、この映画に関わった方々にも、あるだけの感謝をさせていただきます…
ありがと!!!!!
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