ろく

Gメンのろくのレビュー・感想・評価

Gメン(2023年製作の映画)
4.0
あああ、「BE BOP」じゃないですか。「湘爆」でないですか。「多古西」じゃないですか。「ルーキーズ」でないですか。こんなバカ映画嫌いでないですよ。

もともと作者の小沢としおと言えばヤンキー書かせたら少年マガジンと双璧というチャンピオンの代表漫画家。「フジケン」のころから読んでましたし「ナンバMG5」も大好きなのよ。ヤンキー+ヌルいコメディってのはチャンピオンの代表じゃないの(誰も知らないけどこのころのチャンピオンの漫画が大好きだ。「クローズ」は当然として「京四郎」なんかも良かった)。

でその原作をこれでもかで映画にしたという鈴木則文イズムが止まりません(則文と言えば横山やすしの「黒岩先生」やJACの「コータローまかりとおる」なんかだよね!)。早い展開、意外と原作忠実、思ったことはみんな喋っちゃう。そうこれは映画ではない。則文なんだよ!また則文イズムとして「童貞エロ」は欠かせないんだ(「パンツの穴」名作です!)。この映画、流石に令和なんで直接ネタにはなってないけどそれでも頑張った!そう、童貞エロネタ大事ですよ。もう吉岡里帆をみて股間が勃つ竜星涼に大笑いですよ。

最後の乱闘(この手の映画で最後乱闘で無かったことがあっただろうか、いやない)もなかなか見せてくれる。見所はそれぞれの場面が目まぐるしく映されるところ。なかでもキモタ役の矢本に大笑い。いいんだ、矢本、俺は応援するぞ。

正直主演の岸だけは鼻だけでかくて「これはミスキャスでないかい」と思って見ていたけどあとのキャラはそこそこ合格。特にヤンキー金髪の森本慎太郎がイイ味を出している。しかし森本はこの映画で金髪ヤンキー、ドラマで錦鯉長谷川、さらには南キャン山里と際物だけを演じている。もうジャニーズだけどそっち要員だからね(しまったスマイルアップだった)。

さらに吉岡里帆のふっ切れた演技。もうノリノリですよ。ゲラゲラ笑うわぁ。吉岡、可愛いけど残念な感じが絶妙にスマッシュしている。バカやらせれば良いのが出来るじゃないですか。

というわけで鈴木ソクブンマニアにしてチャンピオンヤンキー漫画好きの自分としては「映画としては……」という意見もあるけどアゲ。この監督、前作は「バイオレンスアクション」で壮大にがっかりしたけど、今作は頑張った。変に難しいシーン撮らないでバカばっか撮っていればいいんだよ。

※この手のバカコメとして近年エロは封印されてしまっているが(「KAPPEI」なんかを観ればよくわかる)昭和映画好きとしては悲しい限りである。リピドー全開で「パンツの穴」なんかにドキドキしたあの頃が懐かしく泣けてくる。で今作はそれが少しあってよかったんです。ああここにあるのは昭和映画イズムですよってね。ただ、だからといってこのご時世で全開でやるのは疑問なんでこれくらいが「ちょうどいい」。でも矢本と小野のベッドシーンはあっても良かったかも……(マンガでは確かそこで童貞捨てるはず)。
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