家族の厄介者の四男坊と障がいのある女性との一年間にも満たない結婚生活を淡々と描いた中国映画。これが2011年の話というんだから中国って色んな意味でスゴイ。
終盤近くなって、まだ終わるなまだ終わるなと久しぶりに願った作品。いつまでも見ていられる。なんならもう一周季節の移ろいを描いてくれても良いくらい。「春江水暖」 (2021) が好きならこれもきっと気に入ると思う。ただしすごくスローな映画なので体調万全で見ることを薦める。
監督の生まれ育った村がモデルということで、障がい者役の女優以外の出演者は全員その村の住人 (春江水暖も同様)。そしてなんと主演の男性は監督の叔父で現役の農民とのこと。
ちなみにこの映画、tiktokでバズってしまった故に中国国内では上映も配信も停止状態 (いわゆる「面子の問題」) とか。
余談だが、途中見ていて「イニシェリン島の精霊」と共通点が三つあることに気づいた。両作ともに人と土地の物語であり、両作ともに二人の物語りであり、両作ともにロバが主役の二人に次ぐ重要な役を演ずる。
