[リティ・パンはお怒りのようです] 0点
2022年ベルリン映画祭コンペ部門選出作品。リティ・パンは前作『照射された者たち』以来二本目ということで、初の人形劇となったわけだが、内容は前作とほぼ同じだった。今回はもう冒頭での『カメラを持った男』のOP→モノリス登場でイノシシ集合という分かりやすすぎる映画史タダ乗りに閉口。その後は取り敢えず見えるもの全てに怒りをぶつけまくり、森林破壊、独裁政治、核実験、強制労働、監視社会などにとにかくキレ散らかすのを、抽象的すぎて全く心に引っ掛からないお説教ナレーションで紡いでいく。今回は六分割画面という、前作のトリプル・エクランを倍増させた画面が登場するのだが、ヒトラーやレーニンの映像を市松模様に配置するだけでひたすらサムい。ただ、パン本人が作ってるらしい人形だけはとても良かった。全く活かせてないのが残念でならない。あと90分短かったら傑作だった可能性もあるが。西欧の映画祭ディレクターはアジア映画とかディグるの面倒だから昔に発掘した人をチヤホヤし続けてるだけなのでは?