【短命な兎】
ヴィンセント・ギャロ監督の長編2作目となった作品
〈あらすじ〉
バイクレースで各地を巡業するレーサーのバド・クレイ。ニューハンプシャーでのレースを終えた彼は、黒いバンに自分のマシンを積み、次のレース開催地であるカリフォルニアへ向かう。その道中である日、かつての恋人デイジーの母が住む家に立ち寄るバド。そこでは、デイジーとの幸せな思い出の象徴だった茶色い子ウサギが今も変わらぬ姿で飼われていた。動揺しながらも再びアメリカ横断の旅に出たバドは、それぞれ花の名を持つ女と出会っては立ち去ることを繰り返す。やがて、デイジーと一緒に暮らしていたロスの小さな家に辿り着くのだが...。
〈所感〉
どこかで本作のタイトルを聞いたことがあって気になって見てみた。うーん、私はまだヴィンセント・ギャロ監督の代表作『バッファロー66』を見てないし、監督のことはよく知らないので何も言えないが、本作単体の評価だと特筆して面白いとか良い作品だとかは言い難いだろう。「映画史上最悪」と言われる所以である問題のラストシーンの生々しいフェラチオとかもそこまで気にならなかったし、寧ろ役者でもある監督が必要な演出だと考えたのも理解できなくもない。デイジーの真実も意外なもので悪くない。ただ、必要十分な台詞を排しすぎていて感情が乗らない。もうちょいタイトルの兎に絡ませて何か物を語ってほしかった。あと、デイジーと再会するまでの女の子達との悶々としただべり具合が見ていてキツかった。どっちつかずの中途半端なスタンスが気持ち悪かったので、どうせクズならとことんクズを追求した足場固めをしてほしかったと思う。でもやはり、悪い意味で印象には残る映画なのでアリなのかもしれない。