【神の街では逃げたら負け】
フェルナンド・メイレレス監督の2002年のギャング作品
〈あらすじ〉
1960年代後半、ブラジル・リオデジャネイロの貧民街"シティ・オブ・ゴッド"では銃による強盗や殺人が絶え間なく続いていた。そこでは3人のチンピラ少年が幅を利かせている。ギャングに憧れる幼い少年リトル・ダイスは彼らとともにモーテル襲撃に加わり、そこで初めての人殺しを経験すると、そのまま行方をくらました。一方、3人組の一人を兄に持つ少年ブスカペは事件現場で取材記者を目にしてカメラマンを夢見るようになる…。
〈所感〉
ずっと見たかったブラジル映画。正直ブラジルといえば未だに治安が終わっているイメージしかないので、一生行きたくない国の一つだが、こんなん見たら興味持つどころかもっとますます行きたくなくなる。けれど、作品を通じていとも簡単にその国の風土、空気、国民性を知れるのが映画の良い所だろう。足を運ぶだけが関心の表し方では無いと思うので、遠くからその熱量を体感できた。本作は実話ベースということで、かつてのリオ・デ・ジャネイロの貧困街、通称「神の街」での若者ギャング達の抗争をリトル・ゼの躍進を中心にドキュメンタリー風に描きつつ、少年ブスカペの写真とジャーナリズムへの目覚めを描いているのが面白い。また、ザラザラとしたフィルムの粗さが、登場人物達をコミックか下手すれば神話かのようにカッコ良く映すことに奏功しているだろう。子供が当たり前に銃を持ち、ドラッグを売買し、それで稼ぎ、次の世代もその姿が男の生き方のモデルとして目指される世界。それは、考えられる限りの恐ろしい無法地帯だが、ブスカペのようにモラルある真人間もいるし、ギャング同士にもある程度のルールや常識があった。そういった雀の涙ほどの救いにも小さな可能性を感じる。
ヒリヒリとしたアクションとザラザラのドキュメンタリーを融合させた、かつてないギャング作品だと思います。ブラジル版『仁義なき戦い』ぜひご鑑賞あれ!
《2025年 84本目》