日本の超高齢化社会をこのまま社会が支えきれなくなればこの選択を迫られる時が来るかも……と常日頃考えていたことを具現化されてやられたという感じ。非常にリアリティに溢れている。
群衆劇としては半端というか題材に対してのエグみが足りない。踏み込みは今ひとつに思えて考えさせられる内容だが面白いのかというと。
本人の自由意志というより長期医療や長期介護の負担を強いられることになる家族の選択となる方が現実的じゃないかと思う。この映画のプランだとその辺の問題は即座に解決できないだろう。
生と死の是非を問う話だが肉親の情も希薄になれば割とその辺どうでも良くなる現実を見ているとまだこの映画の方が優しい世界に思える。独居の老人しか描かれていないので同居の家庭が描かれてたらもう少しエグみがあったと思うが。この映画だけですっと消費される問題ではないだけに後味は悪い。こうならないことを……というよりこれを断行出来ると思うほど日本の政治に気概があるとは思わないが仮にその時がきたとして本当にその他の問題諸々で相当に日本はガタガタになっているだろう。
