映画館で予告を観て気になっていた作品。
星新一の『生活維持省』にも通じる話、あちらは年齢関係なかったけど。
観たあと…凄く考える。作品のこともだけど、自分や自分の親のことも。
ワタシ自身は看取るべき人を看取ったらPLAN75でも全然構わない。でも、大切な人にそうしたいと言われたら哀しいし、離れたくない、エゴだけど。
人は、よくピンピンコロリを望むけど、殆どの人間の最期はジリジリと進む。意識も無くなり色々な管に繋がれて終わる。自分なら嫌だ。自然に任せたい、痛みだけ除いて。
でも、死を目の前にして潔く逝けるか…
そんなことも考えさせられる作品。
主人公ミチの慎ましさを見て、ミチは決してキリギリスだった訳じゃなく、ずっとアリのままで日々目の前の生活に追われていたのだろうと思う。無年金だったのか描写は無いけど1人親方みたいな職人の旦那さんだったりしたら有り得そうな話だし。
同僚イネちゃんの手を握るミチの手のシーンだけで涙腺崩壊。ラスト今まで冬の弱々しい陽の光やみぞれ模様の景色だったのが少しだけ希望が見て取れる日の出シーンなど映像や少ない台詞も淡々としていて好みでした。
結果、いい作品だなと。観終わったあとに、こんなにも考えさせられて。
