リッジスカイウォーカー

PLAN 75のリッジスカイウォーカーのレビュー・感想・評価

PLAN 75(2022年製作の映画)
4.0
高齢化社会と安楽死に向き合ったお話。
あながちフィクションで片付けられないリアルがある。

だんだんと外堀が埋められ、そもそも生きることが難しくなっていき、誰も助けてくれず、だったら生きててもしょうがないかな?と思わせ、安楽死に誘導させていく。

PLAN75に携わる業務は運用フローが構築され、ベルトコンベアに乗るように淡々とこなしていく。


流されたら逆方向に向かうのは難しい激流のように、抗っても戻れない。


システムは作られたら壊すのが難しい。
そういった事実が出来上がる前に対処をしなければいけないのだが…いろんなものを先送りにして、何も打つ手を打たなかった場合の待っている未来がココにあった。
正直、もう片足突っ込んでる感じはする。


生活の苦しい外国人に死体処理の仕事をやらせるという、いかにも考えだされそうな体制。
国民感情と政治的成果だけしか考えていない。


核家族化が進み、周囲の人たちとの繋がりも希薄な現代。
人間の関係性は一朝一夕に作るのは難しく、また関係性を作ることによって生じてしまう軋轢への不安もあり、じゃあこの物語のようにならないようにすればいいじゃん!!とは簡単には言えず変えていくことも難しい。


こんなことはあり得ないと目を逸らすか。
こんなことが起きる世の中を覚悟しておくか。

僕らができることはただそれくらいで、静かに訪れるディストピアを受け入れた上でどう生きるか?くらいしかないかな。。




いやいやいや。
ディストピアを受け入れたら、それで終わり。


健康に生きてるうちは便利な世の中だけど、最期を迎えるに至っては、孤独で無力で誰も助けてくれなくなる世界ということがわかっているなら、それを回避するための行動はできる。


このお話を反面教師に、自分ができることは限られているが、せめて孤独死にはならないようにしたい。


ふと思ったが、息子に子どもが生まれなければ、息子は孤独死するな。。


それで…いいんだろうか。
そろそろそういうこともタイミングを見て伝えたい。


人間70越えたらいつ死んでもおかしくないと思っている。

人生100年時代とか言っているが、誰にも訪れることではないし、その年齢を迎えた時にポジティブオーラなんて微塵もないはず。

この宣伝文句は本当に好きではないし、ミスリードを促しているようにしか思えない。