身につまされる思いで観た。
もし私が年老いて、家族もなく、仕事もなく、住む家もなく、お金もなく、体の自由もきかない、もちろん話し相手もいない……そんなふうになってしまったら、そりゃ「PLAN75」を利用したくなるというものだ。
でも、観ているうちに段々頭に来てしまった。
安楽死？ 尊厳死？
いや、これは違うでしょう。
「老人は自殺しろ」って言ってるだけじゃん。
「PLAN75」のスタッフは自殺幇助。
こんな制度が出来てはいけないと思う。
恐ろし過ぎる。
誰だって死にたくない。
死にたくないからご飯も食べるし、健康診断も受ける。
具合が悪くなったら病院にも行くし、薬も飲む。
クソババアと言われたって、這いつくばっても生きてやろうと思う。
それのどこが悪いんでしょう。
ずっと重い気持ちで観ていたし、怒りの感情も湧いた。
でもラストで救われたかな。
やっぱり映画はちゃんと最後まで観なきゃだめだなって思った。
最近、映画観てもリタイアばかり してるので、一度「これ！」と決めた映画は最後までちゃんと観ようと思った。
本作のように、ラストにものすごいメッセージが込められている映画もあるもんね。
何はともあれ、スッピンで挑んだ倍賞千恵子さんはお見事。
深い皺ひとつひとつに、倍賞さんの人生を感じた。
美しいおばあちゃんだったな。
