「あなたならどう考える」がしっかり明示されてる作品やった。
昨今の「高齢者じゃなくて子育て世代に税金回せ！」っていう風潮が子育て真っ最中の自分にはずっと違和感があって、この映画を通してその違和感が何となく言葉になった。
一生懸命生きてきた人たちに「長生きしてくれてありがとう」って思われへん心の貧しさを、声高々に主張してることに違和感があったんやな。
75歳以上は自分の意思で安楽死が選べる世界。その制度のことを除けば、実は今お年寄り達が置かれてる世界ってこの映画みたいな感じなんかも。そしていつか自分も同じ立場になる日が来るのかも。
家族がいても死別したり折り合いが悪くて疎遠になったり。仲良しの友達も1人、また1人と亡くなってしまって。体も痛くなって思うように動かんくて。一生懸命生きて来たつもりやったけど、まるで長生きしてることが悪いことのように高齢化が社会課題として取り扱われてて。
そんな何とも言えへん寂しさと孤独感を抱えて暮らしてるお年寄りはきっと沢山いるやろうし、自分だっていつか同じ立場になってるかもしれん。
生まれた時は周りのみんなが喜んだやろうに。
私は直接お年寄りの暮らしを豊かにはしてあげられへんけど、PLAN75を許すような心の貧しい人にはなりたくないな。
