現代流サンタクロースのハイテク・ハイパフォーマンスが最高に愉快。クリスマス映画には大抵サンタを信じていなかったりクリスマスを疎んでいたりする捻くれ者キャラクターが登場。そいつが最後には変容するのが最早定番になりつつあるのでは。あとはその定番の中に如何にオリジナルな要素を盛り込めるかが勝負だと思う。なかなか侮れない良作だった。
良い子たちにプレゼントを届け回るサンタやその護衛隊長カラム側の本音と、悪い子たちを成敗しようとするヴィランの本音が実は表裏一体であったのはとても面白い設定。子どもと一緒に鑑賞したら親子で此処を話題にすると良いなと思った(ちょっとお節介か)。
現実を憂うカラム(ドウェイン・ジョンソン)を穏やかに諭すニック(J.K.シモンズ)。彼の言葉が現実となるラストはしっかり胸熱にさせてくれて満足。プレゼント用に準備されたと思われる数々のおもちゃの意外な利用法やスノーマンの意外な弱点などユーモアや笑いは勿論。主従関係や兄弟関係の人間ドラマもサブ・エピソードとして織り込まれていて頗る好感度大。ファミリー向けのクリスマス映画として手堅く仕上げられた良質な娯楽作品ではないかと思う。
字幕翻訳は野口尊子氏。