ぐるてん

胸騒ぎのぐるてんのネタバレレビュー・内容・結末

胸騒ぎ(2022年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

海外旅行中に仲良くなった家族。帰国してからその家族から家へ招待されて遊びに行ってみたは良いけど、この人達なんだか嫌だなあって映画。

噂通りの胸糞ラストは家に帰ってから少し体調を崩するレベル。でもそういうのが観たくて観に行ったんだから大満足。

ファミリーカースト上位の妻と、尻に敷かれる夫、そして大人しい娘。
何処にでもありそうなこの親子だが、よく見ると妻は娘に接するよりも長い時間スマホをいじっていて、夫は自分の悩みばかりで娘の買い物の相談にもノールックでOKを出す。そしてウサギのぬいぐるみをもう一人の家族として拠り所にする娘。
要するにあの主人公夫婦は娘に関心が無いのだ。
だからこそ、あのサイコパス夫婦に目を付けられたのではないだろうか。佳境で発せられたあの言葉「君たちが差し出したんだ」。それは娘に関心のない夫婦に対する真意に聞こえる。

最初の旅行で娘の為にウサギのぬいぐるみを探しに行った時、「君は英雄だ!」と異常なほど褒められていた。しかし、その後がいけなかったのかもしれない。
もしかすると誰もが腹を立てたであろう、一度逃げ出すも娘のぬいぐるみを探す為に引き返したあの行動が実は正解ルートだったのではないだろうか。

じゃあ何処がいけなかったのか?
セックスだよ!
怖がる娘を蔑ろにしてセックスをする夫婦を見て気持ちを固めたからこそ、あのタイミングで古い子供のアーベルを殺したのだろう。

壁に貼られた写真の量。スーツケースの数。何より旅行者の証となるカメラが大量に置かれていたのが怖かった。

原題は"客"、英題は"SPEAK NO EVIL(人の悪口を言わない)"。
「じゃあ自分達はどれだけ立派な人間なんだ?」あのオランダ人夫婦がそんな事を言っている様な気がする。

自分達は家族を愛している。娘を愛してる。そう思っているだけで本当にそうなのか?その隙を悪が付け狙うのだろう。

考察すれば非常に良くできた正統派胸糞映画。
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