このレビューはネタバレを含みます
それぞれが秘密を持った家族を描いたヒューマンドラマ。
いつも通りの静寂と作られ過ぎない世界観の演出は、まさしくハネケを観るにあたって見たかったもので、中でも"隠された記憶"にも出てきた超引き画の暴力描写はハネケ節と言っても良いかもしれない。
死にたがっているお爺ちゃんとその願いを叶えようとする母親を事故に見せかけて殺害した孫娘。という、この字面だけならなかなかカッコいい話をハネケらしく起伏を抑えた演出で違うカッコ良さに美しさを兼ね備えていた。
自殺未遂をしてしまうエヴは母親を殺してしまった事で自責の念があったのか、それとも学校に馴染めないのか。アイスを買うために一人で並んでいる時の姿はかなり寂しそうに見えた。
カラオケのシーンがめちゃくちゃ良かった!カポエラかな?ああいう蹴りを繰り出せる様になりたい!
自分の事で手一杯だった家族全員がお爺ちゃんを助けに行くラストシーンは、家族の一体感が初めて生まれていて俺には素敵なハッピーエンドに見えたよ。