絶対にNOと言えるようになろうと誓わされた作品。
旅先で仲良くなった家族のお家へ招かれ、”断るのも悪いしな”との事で”他人の家でまるまる過ごすのは長すぎる”と思いながらも国境を超えて辿り着いた先で待っていたのは…というお話。もう音楽が本当に異常に不穏。なんで？？？なんて気を抜いてるとんでもない事になります。もうひ〜どい。ダメですこんなの出しちゃ（褒めてる）
お人好しな人間は相手の期待に応えようと、喜んでもらおうと、嫌われないようにと顔色を伺って、自分の意に反することを平気でしてしまう訳なのですが、それが今回は人生が終わる引き金となってます。駄目なんですやっぱ、Noが言えないと。勘や本能が感じた違和感、胸騒ぎを無視するとろくな事ないし、それを利用しようとする悪魔は知らぬところに潜んでいるんだと痛いほど知らしめさせられました。
今作は怖さだけじゃなく、嘘を突き通せず本音が顕になってしまった故の居心地の悪すぎる気まずさもふんだんに盛り込まれてるので、もはや笑って気を紛らわしながら見るしかなかった。
映像も良かったし途中の社会の規範やスタンダードに疑問を呈すところも良かった。けどそうじゃないんすわ…（？）良かったけど無しです。きつい。アーベルの泣き声？呻き声？を思い出しただけで気分がずんと沈む。頭から離れない。ポスターも見てらんない。これを乗り越えた人達と握手を交わしたい気分。
監督のインタビューが内容に関して腑に落ちるものだったし、凄く面白かったのですが、あまりに残酷なお話すぎて演者陣な尽く断られたという事実に対して、”断る権利は勿論あるけどここまで拒絶されるとは…”と驚いてるのが良かったです。そりゃあそう。
