厳格な学校からの束の間の息抜き。ピクニックに出かけたまま帰らぬ人となってしまった少女たちと先生。100万年前の噴火によって出来た岩山の仕業か、それとも神隠しか、それとも人災、はたまた制圧からの解放か。
全てが謎に包まれたまま、沢山の疑問を抱えたまま映画館を後にしている。全然わからない。失踪事件を境に徐々に崩れていく耽美的な世界観が物語全体を異色なものにしていて、美しいや可愛いだけでは片付けられない、どうしようもないモヤモヤを今作からは授けられる。意図せず考え込んでしまうというか、それが色んな人の胸に残る名作として知られている理由だと自分は思う。
誰にも知られず突然と消えることに対して昔からちょっとした憧れがあったけど、浮かび上がる物騒な原因たち、ただ事ではなくなってしまう、そんな危険性がすぐどこにでも転がっているこの世の中に嫌気が差してしまった。
